究極の選択
家に帰ってくると携帯が鳴った。
母親からだった。
「融資、どうだったの?」
「・・・ダメだったんだ。。」
「・・やっぱり・・。お母さん、たぶん駄目なんじゃないかって思ってた。
現実はそんなに甘くはないものよ。お店をやるって
とても大変な事。
あなたみたいな若い女の子じゃ認めてもらうのはきっと難しい。。
お金があるなら別だけどね。。。
・・あのね。そんな時になんだけど。駄目だったならその頭金用の
お金、お兄ちゃんに貸してあげれないかしら?
お兄ちゃんも独立して事業やってるけど、今緊急トラブルが起きてて
本当に困ってるらしいの。
私達はもう年金暮らしだから。。
お兄ちゃん、アナタに電話した時、
「独立、独立!お金足りないかも!!」って言うアナタに、
・・言えなかったって。。
独立が無理だったなら、しばらくは使わないそのお金を貸して
今のお兄ちゃんを助けてあげて・・・。」
なんですって・・・・!!
・・そういえば電話かかってきてたな。。
様子伺ってただ電話かけてきただけだと思ってた。
自分の事で無我夢中で、兄の様子なんて気づきもしなかった。。
どうしよう・・・。
どうしようって、私、駄目だったんだから貸しあげればいいのに。
・・駄目だったけど、もしほんの少しでも可能性があるなら、
この頭金は必要かもしれない。今が駄目でもこれを元にまた貯金をして・・・。
・・・無理か。。
駄目だった私の他の道すじでは、なかなか貯金はできないかもしれない。
日々の他の大変な事に流されて、例えば子供とか出来て、
お店を先延ばしにして、それを理由にして、
諦めてしまうなんてことも・・・。
・・いくらスピリチュアルな人に「諦めるな、成功する!」と言われても、
・・・私は現実に断られてる。。
お金を貸せば、兄は助かる。
でも、私の夢は終わる。
または、
少しの可能性にしがみついて、
兄を見捨てるか。
・・・これって、ある意味、相当究極の選択じゃない!?
あぁ、なんでこんな悩みばかり来るのだろう。
今までもそう。
家族は平凡だけれど、慎ましく、仲良く、そして自分達らしく、
真っ直ぐにやって来たつもりだ。
なのに何で現実はこんな苦しい事ばかり押し寄せるのだろう。。。
・・・そんな心底の嘆きをしても、訴えるところなんてどこにも無い。
どうする・・・。
どうする、私は・・・・。




