2010年5月 6日

質問!

 「なんとかなんないのかなーーー!」

 ずっと落ち込んでる私を見ていた旦那さんが呟いた。
 
 でも、私の心に覆っていたモヤは消えていた。


 私はまだ諦めない。


 この諦めない行きたかった未来の自分になるために
 他の手段を探すんだ!

 無いと思っていた道がきっと何処かに隠れてる。
 もしくは自分で切り開くぐらいの根性。

 
 でも、その前に。


 「ちょっと公庫に聞きたい事があるんだ。」

 何で今更?なんて旦那さんは思ったみたいだったが。

 冷静になって、あれは?これは?と気になる点、
 ハッキリしておきたい事がいくつかあった。

 道を見つける前に、ダメだった道の真相を明らかにしたかった。
 よくある解釈、流れに沿ってしまう感情、空気を読む、
 これは全て自分ひとりのモノ。
 自分は絶対そうだと思った。でも、他の人に聞いたらその人は
 全然違う解釈、感情、空気を読んでいた・・。
 そういう事ってよくあるハズだから。
 とことん追求して、コテンパンにやられた方がシコリは残らない。

 すべては後悔しないために。


 
 公庫に電話すると若い女の人が出た。

 気になってる所全てを質問した。

 意外にもその若い女性はどの質問にもしっかりとした説明で、
 とても感じよく答えてくれた。
 
 そして、
 意外な事実が多く発覚した!!


 開業マ二アル本に<こういう場合は駄目です>と書いてある事柄は
 駄目ではなく全然問題なかったのだ!!


 私にも大きく関わる事柄だったのですごく驚いた。

 いくらしっかりしてる本でも
 <間に受けてそのまま諦めてはいけない>
 という事!!

 その他にも何点か予想を覆す結果になったのだ!!


 

 一度行って断られてる結果に変わりはない。
 
 でも、今後の為に知って良かった話だった。

 
 キチンとして作られた本は、とても役に立つ。
 そのおかげで夢を描き、事業計画表が書けた。

 でも、どんな文献も参考に、という気持ちの置き方が大切。

 例えば占いとかも<悪い>って出たって<私は大丈夫!>って
 思えれば全然OK。

 本当に重要な事は、
 ジャッジの本質に迫り、
 きちんと自分で確かめるんだ。

 当たり前のことなんだけど、 
 知らない分野に関しては原点に帰り、
 謙虚に教えを請うことを
 これからも大事に思う。

 

 

2010年5月14日

やって来た声

 
 「質問」事項が明らかになり、答えてくれた公庫の女性は
 私が創業を考えていて、一度訪れてるのを知り、

 「創業相談の担当がおりますので、その者にまたよかったら相談を
  受けてみて下さい。」

 そう言って電話を切った。


 ・・・また公庫で、相談か。。

 なんかまだ気が進まないな・・・。


 公庫の中に入り、断られ、泣いて帰ったあの時間が、
 私の中にはまだまだ全然消えてなくて、
 悔しくて、悲しくて、ひどく傷ついた心が、もう一度・・・
 と思うには・・、時間がかかるかも。。


 そして・・。

 私の中ではまだ質問内容の真相が明らかになって驚きが冷めない
 ほんの1時間も経ってない時だった。


 携帯が鳴る。


 (・・・誰だ!?)


 「国民金融公庫の創業相談担当の者ですけどー!!」


  (えっ!!まじですか!・・向こうからかかってきた!!?)


 「創業を考えてるみたいで・・、いつ来れますかっ!!」

  (いつって・・!!?)

  「え~っと、あ、明日も休みなので明日だったら・・・。」

 「ではっ、明日のOO時にお待ちしてます!!」





 ・・・・あー、びっくりした~!!

 まさか向こうからいつ来れるか迫られるとは思わなかった!


 電話がかかって来たのも早かったけど、話の展開も早いし、
 ものすごい勢いがあって圧倒されてしまった。
 
・・公庫にこんな対応する人もいるんだなぁ。。





 ・・傷心に浸る時間もなく、

 私はまた、公庫へ向かうのです・・。

2010年5月18日

公庫再び

 しまい込んだ書類全てを引っ張り出して、
 私は電車に乗って、またあの街並みを歩いていた。

 ・・もう二度と行かない!と、あの時、心に誓ったのに。

 あれから一週間後、
 ・・そう、まだ一週間しか経っていないというのに、
 
 私はまた公庫へ向かっていた・・。



 よくよく覚えている入り口。

 中に入って前に座った椅子。

 なに一つ変わりのない空間。


 変わったのは、

 私の心境だった。

 
 一度断られてる私。
 いつ来れるかと言われて来たからには、
 どんな相談にのってくれるのというのだろう。

 初めて来た時は緊張と不安で仕方がなかったが、
 今回はもうそんな私ではなかった。


 しばらく待っていると、私の横をピューっと風を切るように
 人が走って行った。
 (こんな静かな所でめずらしいな・・。)
 なんて思ったと同時にその人が立ち止まり振り返った。


 「もしかして電話のOOさん!?ゴメン、ちょっと待っててー!!」

 (・・・あの人が電話の人!?・・想像より若いな。。)


 「お待たせ致しました、こちらへどうぞ。」
 と案内されたのは、以前の銀行窓口のような所ではなく、
 あの一つ一つに仕切りがついた机の並んでいるほうだった!
 しかもご丁寧に椅子まで引いてくれて!!


 この用紙にご記入を、と書く用紙も以前と同じ。
 (またこれか・・。)
 ・・そう思っていた時、

 「OOさん、僕の弟と同じ年なんだぁ!!
  こんな若い女性が一生懸命創業を考えてるというのに、
  ウチの弟は何をやってんだか・・。」

 ・・・ってことは、この公庫の人はウチの兄ぐらいという事!?
 この人は創業の相談を受けるぐらいの立場と知識を持っているのに、
 ウチの兄は・・・。
 ・・なんて私も同時に思った。
 
 そして随分と前の公庫の人と接し方が違うな~、とも。


 関係書類を全部見せた。
 
 そして資産状況を知る上で持ってきた通帳を見た時だった。

 「うわ~ぁ、本当こういう人には協力してあげたくなるんだよなぁ!」
 と言ったのだ。

 毎月毎月きちんとした日にきちんと積み立てられていた数字が、
 何ページにも渡って並んでいた。

 公庫の人は言う。
 通帳を見るだけでその人がどんな人か分るんですよ、と。

 ボーナスが入ってもすぐ使ってしまう人とか、
 足りなくなったらカードローンする人・・、
 融資する以上きちんと返済能力がないと困る。
 公庫では過去の融資されたデータが沢山あるので、
 こういう人は事業は上手くいく、いかない、とかが
 分ってしまうんです、と。

 この私の通帳を見ると、コツコツとしたためた<思い>が伝わるのだと言う。



 
 ・・協力って、

 どうしてくれるの??


 書類をしばらく見つめている目の前の人が何を言うか、

 その人の一つ一つの言葉全てが、

 この先の私の人生に大きく関わっているんだと思い、

 私もただ、

 じーっと、待っていた。
 
 

2010年5月21日

知的な力!

 
 予想もせず、また公庫に行った私は、 
 目の前に座り、私が書いた<事業計画表>をじーっと見つめている
 その人を、私もじーっと見つめ、待っていた。


 しばらくするとペンを持ち、
 資産計画部分を見て、
 なにやら書き出し始めた。
 
 「ここの数字をこうして~・・・、これをこうして・・、
  こうするといいんじゃないかなっ!!」


 (おおおおおおおっ!!!)


 声には全然出してないけど、ものすごい衝撃の驚きだった。


 「内装工事の見積もりをこのぐらいで作り直してもらってね、
  運転資金や、経費など・・・、僕の今まで沢山の美容院の相談を
  受けた経験からすると、このぐらいの数字でも大丈夫だと思うよ!」


 (それ、それ、それーーーーーー!!)


 私が泣きながらも諦めきれず、納得がいかず気になっていた事。

 資産計画はあくまでも仮定の計画。
 工事だって、美容機器とか、経費とか、調整変更要素は沢山あるのに、
 よく分らないから業者さんの情報を頼りに書いただけ。
 業者さんはどちらかというと安全に安全にと、
 ゆったりと見積もっていた気がしていた。
 でも、どこにどうかかるか、どう調整していいかも分らないまま
 諦める所まで追い詰められて・・・。

 そんな曖昧なまま夢が壊れるなんて、ありえない!!


 諦められず気持ちを持ち直しても、現実、どう数字を調整していくのか、
 導いて見つけ出す事も、創業に関して素人の私には至難の業であり、
 すごく時間がかかるだろうな、と思っていた。


 しかし!

 公庫に再びやって来て、

 目の前のその人の知識で、

 私の前に立ちはだかっていた全ての壁を飛び越えたんだ!!


 (・・この人、すごい!!!!)


 公庫の人にとっては、日々の業務のよくある作業だったと思う。


 でも・・・。

 私にとっては夢を叶える知的な力を持った頼れる神様のようだった。


 「この数字なら規定内だから、融資は通ると思うよ!!

  チャレンジする?・・なら、来週までに必要書類全部用意して来て。

  そしたら審査入って1~2週間で結果、次の週には振り込まれるからね。」


 早いっ!!

 早いよ、展開がーーー!!


 ドキドキと共に、頭の中で沢山の事がぐるぐると回り出した。


 私の手をから離れていこうとしていた、

 全ての思いの計画が、

 今一度、甦ってきた!

2010年5月25日

人間審査


 次の週の公庫では、融資のための審査用紙を公庫の人が記入するため、
 事業計画表に書かれた事についてや、資産的な事、家族や旦那の事、
 私にまつわる全てを、まるで人間審査のように色々な事を聞かれた。

 その時間は、向こうにとっても私という人がどうなのかを知るのに
 大事だったとは思うが、私にとっても創業や経営について、
 私の知らないこと知ってるその人の知識を少しでも知りたいと思っていた。


 「この事業計画表はよく出来ているねー。
  普通ここまで書いて持ってくる人は本当に少ないよ。
  大体がここに来て、一緒に考えるんだ。」

 (へぇーー、そうだったんだぁ)

 「美容も飲食も回転が速い職業だから大変だよね。
  開店したと思ったら数年後にはもう潰れてたり・・。」


 どういう人が成功するんですか?と尋ねると、

 「美容で言うなら、まず夫婦でやってるのは強い。
  人件費がいらないしそんなに簡単に関係が崩れない。
  夫婦でないなら周りに仲間がいる事。
  大変な時でも励まし合える関係があると頑張れるもの。
  何も知らない土地で一人でやるのは一番難しいかも。
  
  そういう点でOOさんは藤沢が地元で友人も多いみたいだし、
  ずっと藤沢で美容師をやっているからお客様もいる。
  そして旦那さんも地元で働いていて、仲間が多く、お店を営んでる
  知り合いも多い。二人とも藤沢に通じていて、こんなにいい条件を
  沢山持ってるんだから言う事ないよね。」


  ・・・そういう部分もささやかながらプラスかなと思っていたが、
  意外にそういう部分が大事なんだな~と思った。

  例えば、頭脳的とか、職人的とか、経営論などの秀でた感じが
  ないと事業って手が届かないものなのかと思ってた。
  もちろん全くセンスがないと無理なんだろうけど、
  でも、ここで話を聞いて思ったのは、
  景気の波に上手に乗ってどんどん上がっているなら何も問題はナイが、
  ふいに厳しい波が来た時に、どれだけ耐えられるか。

  どれだけ負けないで強く前を向いていられるか、が、
  長く続く事業をやっていけるポイントなのかなと。。


   私にとって美容師という仕事は、中学の時すでに確信していた
   私の生きる術だ。
   美容師をしている自分が一番自分らしい。
   これだけは絶対に譲れない。
   ずっと美容師として働き続ける。
   一緒になるならそれを理解してくれる人を、と思ってた。
  
   私が<人>として生きていくのに必要な美容という仕事。
   手荒れぐらいで挫けたりなんかしない。

   自分が思い描くお店を持てるならば、
   私は人生をかけて守り抜く。

   そのお店が私の人生の基盤となるのだから。

   どんな事が起きようと長く長く続けて、
   生きてくために、耐えて、強く、
   前を向き続けるだろう。


  
   ・・そう心の中で自分の思いを再確認した。

   この審査に挑むために。。


  私が書いた事業計画表は、
  こういう面接や審査時に緊張して言いたい事が伝えられなくても
  平気なように、全ての思いとアピールを書き詰めたものだった。

  実際、この目の前の人とは緊張もなく話が出来たが、
  結局やっぱりこの事業計画表があったからこそ展開のスピードが
  早まったんだなぁと私は思っている。

   

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